日時 2018年11月25日(日) 13:00-18:00
内容 天然秋田杉を鉋(かんな)で削り、箸を成形する/木片をヤスリで自由に成形して 箸置きを制作する
場所 せんだいメディアテーク(宮城県仙台市青葉区春日町2−1)
対象 小学生20名程度
講師 小玉順一(「小玉建具店」代表/箸作り指導担当)、佐藤友亮(「佐藤木材容器」代表/箸置き作り指導担当)
普段は作品などを鑑賞する展示室内に、削りたての木の良い香りが漂います。
今回は、『こどもげいじゅつのむら 5周年記念展ースイスからの贈り物ー』会期最終日の「せんだいメディアテーク」を会場に、秋田県産の天然秋田杉で箸・箸置きを作るワークショップを開催しました。
毎日使う箸、こどもには特別感のある箸置き。それらを木を削って造形するという経験を、こどもにぜひ体験させてあげたい!と親御さんが予約したり、展覧会場に設えられた同じ秋田杉の木片で遊び、興味を持ってくれたこどもが参加したり、計24名が体験しました。
作り方を教えてくれるのは、豊富な森林資源と木材の加工技術で知られる秋田県から来た小玉先生と佐藤先生。男鹿半島に近い五城目町で、小玉先生は「指物」と言われる一点物の建具類、佐藤先生はお盆やコースターなど生活に即した木製容器を手掛けています。今回は毎日使うものを作るので、丁寧に、そしてケガに気をつけて教えたいということで、先生たちは各テーブルに分かれ、一度に2、3名の参加者が対面型で制作することに。
箸作りのテーブルでは、今では見慣れなくなった鉋(かんな)が登場。木の表面をスライスする小玉先生の大事な仕事道具です。重く、また底面に鋭利な刃が突き出ているため、先生が後ろ手から支えて、鉋削りに挑戦します。木材を木型に固定し、一定のリズムで鉋を動かすと、なめらかな音とともに丸い鉋くずが。向きを変えて何度も削り、箸の形が現れたら角を落として(面取り)仕上げます。
箸置きになる木片はもともと加工の際に切り落とされた端材。定まった形はなく、箸を収める窪みが施されています。それぞれ好きなピースを選び、ヤスリで表面を滑らかにしたり、角を削ったりして自分の形に仕上げます。削る合間にも手触りを確かめたり、匂いを嗅いだり。先生からは「箸を置いた時グラグラしない形は?」「木目をきれいに見せる削り方もあるよ」とアドバイスがありました。
箸置き・箸作りとも最後に蜜ろうを拭いてツヤを出し、完成です。シンプルな素材、手順のなかにも五感を刺激する要素が盛り込まれたワークショップでした。