日時 2016年9月3日(土)~25日(日) <5日、20日、雨天時を除く>
内容
場所 山形県郷土館「文翔館」(山形市旅篭町3-4-51)
対象 子ども、一般 計77組
講師 東北芸術工科大学東北復興支援機構TRSO、株式会社石巻工房
参加費 1,000円
協力 穂積繊維工業
東北芸術工科大学が主催する9/3-25「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2016」のプログラムの1つとして、石巻工房による「DIY picnic」を開催しました。このプログラムは、東北芸術工科大学東北復興支援機構(TRSO)と株式会社石巻工房が共同開発を行なっている〈DIY KIT PROGRAMシリーズ〉の第2弾。その第1弾DIY KIT「bento」で好評をいただいた「バードハウス」を組み立て、青空の下、芝生の上でピクニックをするようにDIY=Do it yourselfの精神でものづくりを楽しみました。
ビエンナーレのメイン会場である文翔館の芝生に建った、まさに“鳥小屋”のようなワークショップブース。子どもたちはそのかわいい姿かたちを見ただけで、大興奮!
小屋のなかには、バードハウスの材料となる木片に、クギやかなづち、ドライバーなど私たちの暮らしを支える工具類がぎゅっとおもちゃ箱のように詰め込まれています。
芝生の上にまっさらな木片を広げ、いよいよバードハウス作りがスタート。まだ匂いのする木肌にしるしをつけ、クギを打ち込む瞬間の緊張とわくわくが入り交じった子どもたちの表情。「つくりたい!」という気持ちとは裏腹に、はじめて使う不慣れな道具に不安そうな表情を浮かべていた子どもたちも、トントンという音を響かせるごとに、みるみると頼もしい顔つきに成長していくのが印象的でした。
少し難しい組み立ての場面も、お父さんやお母さんと協力したり、スタッフを務めた東北芸術工科大学プロダクトデザイン学科の学生メンバーによるひとりひとりにあわせた細やかなアシストのおかげで、小さな子どもたちも最後まで完成させることができました。
バードハウスの仕上げにつけた流木や木の実は、石巻工房の皆さんが石巻の海から拾ってきてくださったもの。「ここに枝をつけたら(鳥が)止まりやすいかな?」「まつぼっくり好きの鳥が来ちゃうかもしれない・・・!」と、子どもたち自身のひらめきによってそれぞれの形が生まれていきます。
なにより、自分の手で作ったという実感や愛おしさから、誇らしげな表情で自分のバードハウスを抱きかかえたまま芸術祭を回る子どもたちの姿も多く見られました。
DIY KIT PROGRAMの特徴は、「自分で考え、自分で作る」ということ。
2011年の東日本大震災を受け誕生した石巻工房が、DIY KITの木片に託し伝えてくれたDIYのメッセージ。
秋晴れの山形で見たその風景と芝生の上に響いた楽しげなものづくりの音に、自分たちの手でモノ・暮らしを作っていくという尊さ、面白さに改めて触れることができたように思います。
(美術館大学センター 鈴木淑子)
[DIY picnic 学生アシスタント]
田中敦/佐藤聡/髙橋周平/廣瀬雪/佐々木真優(東北芸術工科大学 プロダクトデザイン学科)
[協力]
穂積繊維工業