縄文土器を制作しよう!

· Workshop

日時 2016年4 月18日(月)9 時~12 時20分

内容 自分達で採取した校庭の土を使った縄文土器を制作するワークショップ

場所 仙台市立上野山小学校(仙台市太白区上野山1丁目20-1)

対象 仙台市立上野山小学校6年生 74名

講師 佐藤祐輔/考古学者、仙台市縄文の森広場 学芸員

協力 仙台市縄文の森広場、仙台市立上野山小学校

「こども芸術の村」プロジェクトと仙台市縄文の森広場、仙台市立上野山小学校が協同で実施する連続ワークショップ(全5回予定)です。こども達自ら原料となる「縄文の土」を採掘し、この土を使用した縄文土器づくりに挑戦します。

また、制作する縄文土器は卒業記念品ともなるため、こども達それぞれの学校生活の思い出の品を使用した文様づくりにも挑戦します。

縄文ワークショップの2回目は、昨年11月にこども達が採掘した土を使っての縄文土器づくりです。時折強い風が桜の花びらを散らす中、仙台市立上野山小学校の6年生になったばかりのこども達が学校の体育館に集まり、縄文土器づくりに挑戦しました。

最初の1時間は、講師の仙台市縄文の森広場の佐藤祐輔先生から、縄文時代に関するレクチャーです。縄文時代ってどのくらい前?どんな生活をしてたの?縄文土器ってどんな特徴があるかな?スライドで資料や写真を見せながら、こども達に質問する佐藤先生。あれ?あまり手が上がらないようですが・・・でもよく見ると、ちょっと恥ずかしそうに隣の人と相談していたり、小さな声で答えていたり、本当はみんな、中々勉強しているようです。

さて、縄文土器の作り方についての説明も聞いて、いよいよワークショップ実践です。

こども達が採掘した土から精製方法が異なる2種類の粘土が用意されました。こども達は、早川先生曰く、「つぶあん」と「こしあん」のどちらかの粘土を選択します。「つぶあん」の方は、採掘した土の個性をそのまま生かし、野焼きするとより味のある仕上がりになりますが、作業はしづらい粘土です。一方、袋に「水」と書いてある「こしあん」タイプは、水簸(すいひ)という工程を経たより不純物の少ない作業しやすい粘土ですが、、野焼きするとややおとなしい仕上りとなります。

土の塊をこねて柔らかくしたら、6つに分けて、1/6の土で底板を作ります。一口に6等分といっても、こどもによって分け方は様々。細長くひも状にしてからだったり、またブロック状に固めてから分けたり、中にはあまり等分されていなさそうな分け方もありましたが、こんなところでも、それぞれの考え方が反映されていて、面白いですね。

底板をつくったら、残りの土を人差し指くらいの太さのひも状にして、底板の下からぐるっと巻いて積み重ねていきます。この方法を、「輪積み」と言います。積み重ねたら、土器の外側と内側をヘラと手ではさんでなじませ、少しずつ土器の高さを出していきます。

土が乾いてくると、すぐにひびが入ってしまうので、手早く、上手になじませなくてはなりません。積上げたり、壊したり、何度もやり直して、いつしか寝そべった体勢になって夢中になっている子も。みんなの集中力はすごいです。

口が広がっているタイプ、壺のようにすぼまったタイプ、いろんな形の土器ができあがってきました。残り時間が少なくなる中、最後はいよいよ飾り付け。

こども達には事前に、「身の周りにあって学校生活の思い出となるような物の中から、文様をつけられそうだと思う物」を探して幾つか持ってくる、という宿題を出していました。定規や鉛筆のキャップ、コンパス、お金、携帯ストラップなど、準備してきた物を使って、みんな思い思いに縄文土器の装飾をしていきます。もちろん、縄目の文様も忘れてはいません。そして、文様をつけるだけではなくて、粘土を足して、角をつけたり、〇をのせたり、本家縄文土器のような火炎状にしてみたりなど、熱心に最後まで取り組んでいました。

班によって流行りがあるのも面白く、こちらの班では縄文様中心、こちらの班ではすり鉢型が流行ってるなど、やっぱりご近所の作品は気になるんですね。

最後は、焼きあがってから自作がわかるように、底に自分のクラスや名前を彫り込んで完成です。書きやすいように、お互いに協力する姿も。縄文時代の頃も、こんな風にみんなで土器を作っていたのでしょうか。

実は今回のワークショップには、「こども芸術の村」プロジェクトを支援してくださっている財団「日本の子供たち」代表のキャロリーヌ・カファンさんとスイスの陶芸家のフィリップ・バルドーさんが視察にいらっしゃいました。ゲストの皆さんは、製作の過程を楽しそうに見守りながら、こどもたちの集中力や様々な造形の作品群に感心されていたご様子でした。

さあ、ようやく全員の作品が完成しました。

中には、片付けの時間に入っても手を休めることなく没頭していた子もいましたが、なんとか予定の時間内に間に合いました。みんな、すごい!

並べてみると本当に様々な形があります。大きいのも小さいのも、みんな一つ一つが大切な作品です。

これを乾燥させて、次回、9月のワークショップでは野焼きをします。

どんな色に焼きあがるのか、今から楽しみです。

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